CABS Setup

2004/11/24 更新

CABS セットアップとは

 Win95 の(再)セットアップを行うときに、システムバックアップ CD-ROM の中の、\windows\options\cabs ディレクトリにあるファイルを使う方法のことを CABS セットアップと言います。主に Win95 をクリーンインストールするために使われる方法です。

CABS セットアップの手順

 ここでは Ls150 に CABS セットアップする場合を例にして説明します。CD-ROM ドライブは Q:、Win95 のセットアップ先は A:\windows としてあります。

  1. まず、CD-ROM が認識できる Win95 起動ディスクを作成します。起動ディスクの作成方法は割愛します。AT 互換機で起動ディスクを作成するには、ipl98 を使ってください。
  2. HDD に対して diskinit, fdisk, format を実行し、HDD をフォーマット、システム転送しておきます。
  3. Q:\windows\options\cabs をそのまま HDD の B:\windows\options\cabs にコピーします。(B: となっているのは FD 起動だから。) Ls150 の場合は、さらに Q:\windows\inf も HDD にコピーします。Ls150 ではこれをコピーしておかなければモデムが認識されません。逆に、他の機種(Nr系?)では Q:\windows\inf をコピーしておくと、モデム等が認識されないことがあるようです。この部分に関しては機種に応じていろいろ試してみる必要があるかと思います。
  4. HDD から再起動します。(AUTOEXEC.BAT, CONFIG.SYS を書いておく必要はありません。)
  5. カレントディレクトリを A:\windows\options\cabs に変更し、その中の msbatch.inf を削除します。(あるいは msbatch.inf を編集することで、自分の好きなように自動インストールさせることも可能です。)
  6. xmsmmgr.exe を実行します。(himem.sys の代わり)
  7. setup.exe を実行します。これで Win95 のセットアップが始まります。
  8. A:\WINDOWS が既にあるので A:\WINDOWS.000 にセットアップするという趣旨のメッセージが表示されるので、セットアップ先を A:\WINDOWS に変更します。
  9. グラフィックドライバは「PC-9821 Ls12/150,La13 (Cirrus)」、ディスプレイは「ラップトップパネル(800x600)」を選びます。(もちろんこの部分は自分の機種に合わせて変更してください。)

後は普通に Win95 のセットアップが進んでいくはずです。

 Win95 のセットアップが終わったら DirectX6 をインストールしておくと良いでしょう。グラフィックドライバとサウンドドライバが更新されます。また、このままでは win.com に不具合があります。Q:\windows\win.com を A:\windows\win.com に上書きコピーしておきましょう。
 セットアップが終わっても認識されていないデバイスがあれば、デバイスドライバの場所として Q:\windows\system や Q:\windows\inf を指定して、デバイスドライバを組み込んでみてください。

 CABS セットアップを行った場合に、ネットワークが動作しないことがあります。その場合は、以下の内容をレジストリにインポートしてみてください。(もちろんレジストリエディタを使って手動で書き換えても構いませんが。)

autolgon.reg
REGEDIT4

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Network\Real Mode Net]
"Autologon"=hex:01

 インポートしても動かないときは、逆に上記の 01 の部分を 00 に変更してインポートし直してみてください。

おまけ

グラフィックドライバの入手法

 グラフィックドライバが無いのだがどうしたらよいかという質問を時々見かけますのでそれに対する回答を載せておきます。
 大抵のグラフィックドライバは DirectX6 の中に入っていますのでそれを利用しましょう。ただし、DirectX をインストールすればそれで終わりというようにはいかないようです。DirectX をインストールすると、現在インストールされているドライバを調べ、そのドライバのバージョンが古ければ更新するだけで、インストールされていないドライバが新たにインストールされるわけではありません。
 ハードウェアウィザードでグラフィックドライバをインストールしましょう。「コントロールパネル」→「ハードウェア」でハードウェアウィザードを起動し、「自動的に検出しない」→「ディスプレイアダプタ」→「ディスク使用」の順で選ぶと、ドライバのあるディレクトリを聞かれますので、そこで DirectX のディレクトリの中の drivers\nec\ ディレクトリを指定してください。するとグラフィックドライバの一覧が表示されますので、自分の機種に合わせてグラフィックドライバを選択してください。
 もし DirectX を単体の自己解凍ファイル形式で入手した場合は、コマンドラインから、/C /T:<dir> オプションを指定して実行してみてください。<dir> で指定されたディレクトリにファイルが解凍されますので、ハードウェアウィザードでそのディレクトリを指定してください。(<dir> はフルパスで指定する必要があります。) 例えば、c:\tmp に解凍する場合は、

> dx61nec.exe /C /T:c:\tmp

として実行します。

 2004/11/12 現在 DirectX6 は、http://web.archive.org/web/http://msdownload.microsoft.com/msdownload/directx/6.1/enduserdl/x86/ja/dx61nec.exe などで入手できます。

ソフトウェアスイッチ

 前述の方法で再セットアップした場合は、Win95 起動中に電源スイッチをスライドさせるとそのまま電源が切れてしまいます。(普通にシステムバックアップディスクを使って再セットアップした場合は、「Windowsを終了します。よろしいですか?」と表示されるはず。)

vpowdwnd.vxd
pdown32.dll
pdown16.dll

以上の3ファイルを Q:\windows\system から A:\windows\system にコピーして、system.ini の [386Enh] セクションに

device=vpowdwnd.vxd

と書き加えればソフトウェアスイッチが使えるようです。(未確認)
これに関しては、以下の URL 参照
http://www.remus.dti.ne.jp/~nakanisi/xv13_w16/0201.html


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